次のスターは,IPで泳ぎ回ることができる。
quote:欧州のテレビ局は,ウェブをみる人によって視聴者を失っている。英国の調査会社のレポートによると,ブロードバンド回線を導入した800人の56%は前よりテレビを観る時間を減らしたと答えている。調査会社のアナリストは,テレビを観る時間がなくなることはないとしながらも,ブロードバンドのインパクトは大きいとしている。アナリストはテレビ局はネットにもっと注力する必要があると指摘し,その例としてディスカバリー・チャンネル,アニマル・プラネットなどのチャンネルを持つディスカバリー・ネットワークスをあげた。同社は特にブロードバンドユーザー向けのコンテンツを,積極的にウェブで展開している。新聞やラジオなどのメディアは,ウェブ上で双方向性を活かしたサービスを提供することで,減少する読者やリスナーをとどめることができたとしている。
昨日(過去記事)の続きっぽい。たとえば音楽の売り上げが落ちた,その原因はネット上のファイル共有にあると云っているような人たちがいる。が,もしネット上にファイル共有という仕組みがなくても,CDは売れなくなっている。多くの人はウェブやメール,その他もろもろのネットワーク上の情報に時間を割いているからだ。テレビの視聴率があがらないのも同じ理由,雑誌が売れないのも同じ理由。原因がわかっているのに,ネットワークを利用できず,どんどん見向きもされなくなっている人たちに,なぜ同情が必要だろうか? ファイル共有に情報が流れるから問題なんじゃない。ネットワークをきちんと活かせずに,いつまでもだらだらしているのが問題なんだ。
記事中にもあるが,テレビがそう簡単になくなりはしない。ただ近い将来,一部の人の楽しみのレベルには落ちる。ミュージカル・スターが誰よりも輝いていた時代があった。ラジオ・スターが誰よりも輝いていた時代があった。シネマ・スターが誰よりも輝いていた時代があった。が,テレビを気軽に観られるようになって,わざわざ舞台を観に行ったり,映画を観に行ったり,声しかきこえないラジオに夢中になるのは,一部の人だけになった。そして,そのテレビもいま同じ道をたどろうとしている。あんな作られた情報だけで,世論を操作できるような顔をして,さっぱり本当に知りたい情報がないものなど,いつか飽きられる日が来るのは当然であり,それがいまなだけだ。そして,そのテレビのなかでスターでいた人間も,無残に殺されようとしている。ネットというルガーによって。
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